第45章 帝光祭
「さっき名前ちゃんトイレに行くって言ってたんだけど…どこのトイレ行ったんだろう…」
「トイレに閉じ込められてるんじゃないですか?」
「姉ちゃんの少女漫画で見たことあるっス。閉じ込めて困らせるんスよ」
「行ったトイレが使用禁止で…別のトイレ行くって言ってたんだけど…」
「…いや、外部が来るからと各方面整備を入れたはずだ
HRでも連絡はなかったし、使用禁止はないはずなんだけどね」
「じゃあそこってことっスね!」
じゃあ苗字が来ることを見越してあの紙は貼っていたのかと犯人の用意周到さを感じながらそこから彼女が走って行った方向の校舎を探す
段々と人通りが少なくなる空間に見るからに紙が貼られた怪しいトイレが現れ、息を切らしかけている桃井が指をさした
「…あった!使用禁止のトイレ!」
「いやガムテープで塞いで怪しすぎるだろ!!」
『!』
「ガムテープで扉固めるなんてとんでもない人たちですね」
扉の向こうから聞こえてくる声に苗字が思わず顔を上げる
時間も分からないので劇に間に合うか分からないが、彼らがいるということはまだ始まっていないんだろう
立ち上がって息を吸い、聞こえてきた彼らの名前を呼んだ
『さつきー!大輝ー!?』
「名前ちゃん!」
「名前っち無事っスかー!!」
『涼太!無事!このドア壊してもいいかな!?』
「今助けるから待て!壊すな!!」
「壊す発想があるのが名前さんらしいですね…」
『征十郎とテツヤもいるの!ねえ劇間に合うー!?』
「わーこのガムテープべたべたするっス!」
「つーか壊せるなら壊して出て来いよ…」
『備品は壊さない方が良いでしょー!!劇間に合うー!?』
ガムテープを取り除いて扉を開けると、今度はトイレの個室の前に机が置かれ、横に土嚢が掛けられ扉が開かないようにされていた