第44章 帝光祭について
「赤くて丸くて美味しいりんごはいかが?」
『ありがとうおばあさん』
大道具や小道具も増えてきたので臨場感が増してきた。りんごを食べて倒れた苗字は小人たちによって棺桶に入れられる
このシーンだけは小人が大柄な男たちで良かったと運ばれながら考えていると、王子役の赤司が泣いている小人たち(笑)を発見し棺桶の中を覗き込んだ
「なんて美しい姫だ」
「いけ!王子チューしちゃえ!」
『やめてよもう!』
「…勝手に起きちゃダメだろ白雪姫」
『もうこの方が面白いんじゃない?』
「絶対みんなキスシーン期待してるって!」
「本当は死体を持ち帰ろうとした王子の家来がこけて姫を落とした衝撃でりんごを吐き出すんだけどね」
「そういうのはいいんス!ロマンチックに行こ!」
『実際は姫りんご以外にも2回死ぬんだよ』
「そこまで殺されて何で知らない奴からもらったりんご食ってんだよ姫」
「灰崎もよく人の食べ物を取って食べているのだよ」
「知らねえ奴じゃねえだろ」
雑談で盛り上がるが体育館練習の時間も限られている
笑っている赤司が手を叩き場の雰囲気を変えて、再び指揮を指執り始めた
「もう1回やろう。名前棺桶の中入ってくれ」
『もー野次飛ばさないでよね』
「じゃあオレら泣くか」
「青峰君泣いてないですよね」
「さっちんは泣いてるけどね~」」
「だって…だって~…」
実際泣く必要はなく他の面々は泣き真似なのだが、桃井だけは毎回そのシーンで号泣している
未来の記憶と重なるところがあるんだろうと察するが、流石に毎回泣いている彼女にクラスメイトも笑っていた
そうして何回か通し稽古をし、体育館の時間が来たところで教室に戻り再び稽古を始める
このお祭りの準備期間が1番楽しいんだよなと考えながら、彼らはギリギリまで練習を続けた