第42章 せっかくだし遊びに
自分の頭を撫でる苗字の手がここ最近の記憶の中より小さかった
こちらから吹っ掛けておいて予想外の行動に驚いて言葉を失っていると、彼女から赤司に問いかけてくる
『どこで後悔しちゃったの?』
「…それ、は」
『言えないならいいよ。聞かないから』
「…名前」
『本当に泣いてるなら抱きしめてあやしてあげるけど、流石に外だし無理』
「あやしてくれるのか」
『泣いてる征十郎なんて、小学生以来見てないよ』
彼女の口ぶりからするに母が亡くなった時の話だろうと察する
確かにそれ以降は泣いていないはずだが、この後はかなりの高頻度で苗字に泣かされている気がすると今の彼女は知らない記憶を思い出し、彼は不敵に笑った
「意外と最近じゃないか」
『そう?ここ最近の出来事が濃すぎて随分昔に感じるなあ』
笑う彼女は撫でていた手を下ろす。立ち止まり始めた時より太陽の位置が変わっていて、足元の影がさらに伸びていた
「名前」
『ん?』
「これからもオレの隣にいてくれるかい?」
『またその質問?大丈夫。いるって』
「…言ったね?」
『なんでよ。大丈夫だよ』
質問の意図が分かっていない苗字からの回答に赤司が笑う
隣にいてくれるなら質問が分からなくてもいいと、少し先を歩く彼女の隣に並んで一緒に歩き始めた