第42章 せっかくだし遊びに
「先生じゃなくてオレに相談してくれても構わないよ」
『え?』
「構わないじゃないね、相談してほしい。だ」
『…征十郎に?』
「ああ」
彼女の瞳がじっと赤司を見つめる
夕焼け色が彼女の瞳に映っていて、あとピンクと黄色が入っていれば元の世界と一緒だなとしみじみ考えている内に、苗字の視線が別の方向を向いた
『そうね、征十郎なら1番相談しやすいかも』
「なんでも相談してくれて構わないよ。前の人が大きくて見えないとか」
『それはテツヤとさつきでしょ』
笑っている彼女を見て、赤司が懐かしそうに微笑む。こうやって楽しそうに笑ってくれるだけで良かった
それがどうしてあんなことになってしまったんだろうと、中学卒業時の出来事を思い出して思わず拳に力が入り、立ち止まってしまう
「後悔したくないんだ」
『…後悔したことがあるってこと?』
「ああ。何度もあるよ」
『完璧な征十郎さんがねぇ』
「全然、完璧なんかじゃないさ」
なんだか悔しい気持ちが込み上げてきて俯き下唇を噛むと、頬に手を添えられる
驚いて顔を上げると身長差がまだそこまでないため苗字の顔がすぐそこにあり、ふわりと吹いた風が赤司の前髪を揺すった
『征十郎、泣いてる?』
「泣いてないよ」
『そう?ごめん、勘違いしたかも』
「…泣いてるって言ったら、どうしてくれるんだい?」
ふと何も考えずに口に出してしまった言葉だったと、キョトンとした彼女の表情を見てからハッと気が付く
訂正しようと口を開こうとした瞬間に頭の上に何かが乗って往来している。苗字の手だった