第42章 せっかくだし遊びに
いつもより早い帰り道、明るいから大丈夫だと断る苗字を根負けさせた赤司と2人、夕焼けの中を歩く
『まさか涼太にあんなリズム感がなかったとはなー…』
「1回見ただけで出来るようになるのはすごかったね」
『あれを勉強でもできればいいのにね』
「彼の試験結果を見たことはないが、口ぶりからするに難しいだろうね」
中学生になって初めて遊んだ放課後、黄瀬と青峰のダンス対決が面白かった話や、唐突にパンチングマシーンでどれだけ好成績が出せるかを全員で勝負したのが面白かったと彼女は語る
ちなみにもちろん勝ったのは赤司で、どこにそんな力を秘めていたんだと笑う苗字を見ながら彼が気になっていたことを問いかける
「名前」
『ん?』
「先生からの呼び出し、なんだったんだい」
『…ああ』
笑顔が消え、少し遠くを見たあたり良い話ではないんだろうと赤司は察する
彼女が言いたくないんだったら聞かなくてもいいかと口にしようとした瞬間、先に苗字が口を開いた
『家庭環境について聞かれた。もし友人関係とか、他にも何か悩みあったら言ってくれって』
「…そうか」
『別に苦労しているわけじゃないのにね、学校側も何か問題起こしてほしくないから先手打ってるんだろうけど』
知らない話に赤司が視線を落とす。自分が知らなかっただけで、実は言われていたのかもしれない
その真偽は分からないが、苗字が1人で突っ走って行って、何か悩みや困りごとが合ってもそういう相談事はしてくれなくて、ニコニコと笑っているタイプだと言うことを赤司は知っている