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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第45章 前方互換アノード


「入れっ!」

ヨンスの叫びに従い、前方に開いているドアに飛び込む。

一見するとただの一軒家だが、第一のセーフハウスだ。

ドアを閉める間際、エドが黒い靄を蹴散らして中に飛び込んでくる。

バタン! とドアがひとりでに閉まる。

「全員、無事なんだぜ?」

「な、なん、とか!」

ぜえぜえという喘ぎ声は、ヨンスと私のものだ。

「撃破数を数える余裕があるくらいには無事です」

エドはというと、息ひとつ切らしていない。

疲労はプログラムされていないらしい。

『カウントダウン、始めます!』

安堵する暇もなく、トーリスの声とともに頭上で「10:00」の数字が灯る。

1秒ずつ減っていくそれに、私は慌てて抱えていたパソコンをヨンスに渡した。

ここで目覚めたときから使っていたというパソコンは、手になじんだ筐体らしく、ヨンスのタイピングを高らかに響かせる。

「くそっ……これも失敗か……っ」

中央コンピューターに辿り着くまでに、事前に作っていたパスワード解析プログラムをひとつずつ試しているらしい。

髪をかきあげて顔を歪ませ、ヨンスは懐から別のチップを取り出した。

それをパソコンに挿入すると、猛然とタイピングを始める。

「公子さん、この部屋に見覚えはありますか?」

エドに言われて辺りを見渡すが、見覚えはない。

首を横に振って答えると、エドは「そうですか……」とちょっと落胆した様子だ。

それよりも、気になることがふたつもある。

ひとつ。誰かに見られている気がする。私たち3人以外に、誰かの気配がするのだ。

もうひとつは――あの電波塔にもっと近づけば、きっと確かめられる。
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