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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第45章 前方互換アノード


『まずは最初のポイントです! 走って!』

トーリスの鋭いかけ声。

それを、スタートダッシュを告げる銃声にして、私たちは外に飛び出す。

ディスプレイには、ネオンブルーの点線で道筋が示されていた。

目指すは、ライヴィスたちが築いた拠点(セーフゾーン)だ。

靄の攻撃をよけながら“電波塔”まで一気に全速力で駆け抜ける――それは至難の業だった。

まず、遠い。

そんでもって、手負いのヨンスがいる。

それに、純粋なプログラムのエドはともかく、神経回路を深く繋いでいるらしい(?)私や生身のヨンスでは、体力がもたない。

なので、靄の攻撃をやり過ごすため、いくつかの拠点をライヴィスたちが作ってくれた。

急ごしらえのプログラムなので、短時間しかもたないらしいが。

それでもヨンスが逃げ込んだセーフハウスに準じる防護機能を持つらしい。

『ヨンスさんの最短ルート検索プログラム、本当によくできていますね』

「あったり前なんだぜ! ルートを間違っても、すぐにそこから最短ルートに戻れるんだぜ!」

『すごいです、カーナビじゃないですか』

「ふふん。デコイプログラムの連携は?」

『ばっちり! 演算に時間がかかるけど、なんとか間に合いそう、です……!』

トーリスとヨンスの会話に気を取られていたせいか、私は気づくのが数瞬遅れた。

黒い靄が接近していることに。

「なんのッッ!」

ドンッ! ビリビリッ

という音を響かせて、盛大に靄が後方に吹っ飛ぶ。

今しがた鮮やかな右ストレートを叩き込んだ拳を、満足そうに見る、自称頭脳派、エドァルド・フォンヴォックさん。

頭脳派とは……?

「把握漏れの敵は、僕に任せてください」

『ぜ、全数は無理なんですってぇ~!』

ライヴィスの泣き声を聞きながら、さらに走る。

ディスプレイに黒点として“靄”の位置が映し出されているが、全てを表すのは無理らしい。

『無限湧き状態みたいなんですうぅ』とさっきからずっと泣きのトーンのライヴィス。大丈夫か。
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