第26章 友達の家の匂いって結構ずっと覚えてる
銀時「ほんとだ」
そのホワイトボードには汚い字でそれぞれ名前が書いてある。
ただし、食事当番以外。
3人分の名前は書いてあるのにも関わらず。
神楽「オハヨー」
新八「あ、神楽ちゃんおはよう」
目をこすりながら神楽が近づいてくる。
新八「ねぇ神楽ちゃん、先月ご飯当番した?」
神楽「んぁー、ご飯?作ってないアル。毎日私の美貌のために栄養たっぷりの食事を準備したお前らには感謝して…グーーーー」
銀時「オイ、起きろ」
神楽「フゴッ…」
頭を一発引っ叩く。
神楽「何アルかさっきから!どうせ今日も依頼ないんだからダラダラさせてヨ!」
銀時「誰が飯作ってたって?」
神楽「だから銀ちゃんと新八が…アレ」
神楽も覚えていないらしい。
居間が静寂に包まれる。
神楽「あ」
突然神楽が立ち上がり台所に走る。
戻ってきた神楽の手にはノートが一冊握られていた。
神楽「コレ!!」
新八「レシピノート?」
神楽「昨日また食べたいと思って眺めてたアル。これ食べたよネ⁉︎」
手渡されたノートには確かに食べた記憶のある料理が書いてある。
ある晩、人知れず台所に置いてあったノートを神楽が“花嫁修行をする”と言って引き取った。
丸っこい文字に少し下手な絵。
新八「僕らこのノートを見ながら作ったんでしたっけ…?」
銀時「…」
思い出せない。
記憶が途切れている。
神楽「コレ」
ページをめくる手を止め、神楽が指差したページ。
神楽「食べたいアル」
そこにはコロッケの作り方があった。