第25章 川立ちは川で果てる
〜さくらside〜
『…、ってて…』
側頭部に鈍い痛みを感じて目を覚ますと、そこは見覚えのない暗い建物の中だった。
両手は背中できつく縛られ身動きが取れない。
『…なにこれ、なんでこんなことになってるんだっけ』
確か真選組の屯所から帰ってきてそのあと…
あ、コンビニに行ってスイーツ食べてそれから、えーと…
おじいさんと話して…
ギ、ギギィィ…
鈍い引き摺るような音と共に一筋の光が差し、
浪士「オイてめェら!合図するまで外見張っとけ!」
見覚えのある男が大声を上げながらやって来る。
あ、思い出した。
コンポタ泥棒。
浪士「よぉ、起きたかよ別嬪さん」
『別嬪さんにする扱いじゃないと思うんだけど』
顎髭を撫でながらニヤつく男の顔を睨む。
浪士「いい女は小蝿がたからねェように箱に入れてしまっとくもんさ。しかも懸賞金のかかった業の深ェ女は特にな」
『だから違うって言ってんでしょ…』
浪士「ふぅ」
男は側にあったビール箱に腰かけ、私の体をねぶるようにじっとりと見つめる。
『…』
気持ち悪い。
『私の懸賞金が目的ならさっさと警察にでも突き出せば?』
警察に出されたところで、警察庁長官が誤認逮捕と認めた以上私がどうこうされる心配はない。
浪士「あー、そうね…そうなんだよなぁ。さっさと突き出しちまえばよォ、俺達も一攫千金、大儲けできるって話なんだよなァ…」
そうだよなぁ、とブツブツ呟きながら距離を詰める男。
『…』
私はその目を知っている。
『…なに?』
躙り寄る男を睨みつけながら、手首に巻かれた物に触れる。
結束バンドか…
浪士「俺はこう見えて倹約家でよォ。もったいねェことは嫌いなんだ」
『ふぅん?そうは見えないけど』
浪士「そうか?魚は皮も骨も食うし、肉は骨の髄までしゃぶるのよ」
『…』
男は目の前に屈み、私のブラウスのボタンをプツンと外した。
浪士「いい女は味わっとかねェともったいねェよなぁ?」