第2章 二人の気持ち
それから私は部活が忙しく、
かずくんに会えない日々が続いた。
そんなある日、かずくんのお母さんから電話があり
かずくんの容態が急変したと
告げられた。
私は必死になって走った。
かずくんの元へ…
ガラッ、
南 「かずくんっ!!」
そこには、今にも泣き出しそうなかずくんのお母さんとお父さん。
険しい顔している医者。
そして…細かく息をするかずくん。
私はかずくんの元へ歩み寄った。
南 「かず…くん?」
和 「…ハァ…来て…くれたんだ」
南 「当たり前じゃん…」
そう言うと私の頬に一筋の涙が伝った。
和 「…泣くなよ…ハァ…バーカ」
南 「馬鹿ってなによっ!?」
和 「馬鹿…だもん…なぁ?」
南 「まぁね…((フフッ」
長い沈黙が続いた。
それを破ったのは、かずくんだった。
和 「…俺が…死んでも…泣くなよ?」
南 「かずくんは死なないよ…」
和 「俺にも寿命ってもんが…あんだよ…」
南 「かずくん…」
和 「ずっと…お前の側に居てやれなくて…ごめんな…」
かずくんの頬にも一筋の涙が伝った。
南 「かずくんも泣いてんじゃん…」
和 「うるせぇよ…」
南 「フフッ、」
和 「俺さぁ…」
南 「ん?」
和 「…ずっと…お前の事…好きだった…」
南 「…私も、好きだよ?」
和 「…そっか…良かった、」
和 「…俺が…死んだら…笑え…」
南 「えっ?」
和 「…お前の…笑顔で…送ってくれ…」
南 「…分かった、じゃあその前にかずくんが笑って?」
和 「…いいよ、」
すると、かずくんは私の大好きな笑顔で笑った。
力無く、笑った…
ピー!!
南 「…かずくんっ、」
“…お前の…笑顔で…送ってくれ…”
そうだよ、笑顔で送ってあげなきゃっ…
私が微笑んだ瞬間…
部屋に勢いよく風が入ったと思えば、
私の頬を優しく撫でた。
それはまるで、涙の跡を拭くかの様に…