第26章 行ってらっしゃいとおかえり
セリシアside
「驚かせないでください…貴女の子供かと思ったじゃないですか…。」
「ごめんごめん。甥ですね、私のじゃなくて。」
養子をとったと思われたのかと思ったら、全然違った。
私に子供はちょっと早すぎない?まだ20歳にもなってないけど?
「全く…。でも誰の子供なんです?貴女のお兄さんは…その。」
「うん、まだ見つかってないですよ。」
未だに探してるんだけどね。
残念ながら見つけたとの報告は無し。
でも似ている人を見たという情報はごく稀に入ってるから、今はそれを追ってる…従者が。
「セーカさん覚えてます?」
「副政務官ですよね、キユノ王国の。」
「うんそう。セーカさんね、やっぱりデアルの恋人だったみたいです。籍は入れてないけれど、そういう話は出てたみたいで。」
「え、じゃあ子供って…。」
「その通り。セーカさんの子供。半年くらい前に産まれたの。」
結婚してない2人だから、申し訳ないけど色々もめた。
王と副政務官だもの。
しかも子供の親が本当にデアルかなんてわからない。
…だからかなりもめたけど、とりあえずその子の成長を見るという微妙な状態で落ち着いた。
もう少し成長すれば、調べるのに危険が減るんだとか。
「デアルの子供だとしても違うにしても、セーカさんの子供なら王宮に仕えることにはなるでしょうね。」
「それで王位継承権を持つんですね…一応とはいえど。」
「そーゆーことです。」