第2章 Opening
[十番隊]
「あれぇ〜?隊長この可愛い子って誰ですか?」
先程冬獅郎に大声で起こされたがやはり眠いのだろう、目をこすりながらソファから身を起こし、こちらに近付いてきた
彼女の美貌に奈々美は胸が高鳴った
「誰ってお前、新入隊員の三席だ。書類チェックしてたんじゃなかったのか?」
そう冬獅郎が言うと松本と呼ばれた美女は目を見開き、奈々美たちの目線まで顔を近付けてきた
「じゃあアンタもしかして楠木奈々美?!」
「は…はい」
(凄い近いんですけど…////)
彼女の碧い瞳の中に自分の姿が映っているのが分かる
奈々美は恥ずかしくなり視線を反らした
直に熱い攻撃が来るとも知らずに…
「いやぁん♡超可愛いー♡書類も書いてあったけど本当に小さいわね。隊長と同じぐらい!!」
ギュムムムムム…
そのような効果音が合うだろう
乱菊は奈々美の首に手を回し、自らの豊満の胸へ顔を押し付けてきた
(人々はこれを神々の谷間と言う)
「うっ…!……っっ!!!
「おい松本苦しそうだぞ。離してやれ」
「あっ!ゴメーンつい勢いで…てかかなりきつく締め付けちゃったわね」
最後の方の言葉はいつまでも青ざめた顔をしている奈々美を本気でマズいと思ったのか恐る恐る言ってきた
「い…え…大丈夫です。お…気遣いなく」
この二人のやり取りを見ていた冬獅郎がため息をつき足早に自分の席に着いた
「来い楠木。書類処理のやり方を教える」
「はっ、はいお願いします!!」
奈々美が走ってその場所まで行くと、乱菊が唇を尖らせて
「えーそれ私が教えたいですぅ」
と言うと
「馬鹿者!お前は自分の書類片付けろ!!」
と、どやされた
「ねぇ、私アンタの事奈々美って呼んでいい?アンタも松本副隊長とかじゃなかったら何でもいいから」
「はい勿論です。じゃあ乱菊さんでお願いします!」
この時から奈々美と乱菊の怠け者の上司と真面目な部下の妙な関係が始まった