• テキストサイズ

死のゲーム

第7章 三浦の料理。


小さい頃よく、三浦の家と合宿をしていた。そう、あれは確か、信濃の山荘に泊まった時だ。

「あのね、夜ご飯は花が作るの!」
「そう?でも、花だけだと火を見る人がいないでしょう?だから祥大くんと一緒に作りなさい。」
「・・・。はぁい。」
あの頃はまだ無邪気だった私はよくわからないまま、料理を始めた。でも、三浦はよく料理をしていたみたいでついでに教えてもらおうと思っていた。けど、その時の私以上に三浦の料理はすごかった。
「花はこれ切って。」
「うん!祥大くんは何するの?」
「ご飯炊かなきゃ。」
そうして、何をしにいったのかわからないまま三浦は帰ってこなかった。でも、一通り材料を切り終えた私は、三浦を探した。探して、川の付近までいくと、三浦が泣いてた。声をかけられなくて、木の陰にそっと隠れた。
「おいで。いるんでしょ、花。」
「!!?」
その時はなんで気付かれたのかわからなかった。よく考えれば、木の陰と私の影が重なっていなかったんだと思う。それから二人、家に対しての愚痴を言い合って、山荘に戻ると母さんが私と三浦を抱き締めた。
「どこ行ってたの!こんな時間まで。心配するからもうやめてね!」
母さんの服の袖はビチャビチャできっと泣いてたんだと思う。いきなり抱きついてくるから私と三浦は思わず、笑ってしまった。
ひとしきり笑ったあと晩御飯を作ったんだけど、なぜか、この世のものではないと思うほど不味かった。私は刻んだだけだからわからなくて、三浦に聞くと、ビタミン剤をカレーのルーの中に入れたらしい、たくさん。


それから私は三浦の作った料理は口にしなくなった。
/ 18ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp