第7章 三浦の料理。
「新婚さんって…別に私はそんなつもりなんか。」
「まぁ、いいんじゃない?久しぶりにこんなに喋れたんだし俺としては嬉しいけど?」
そんな様子を見て遥くんがまた笑った。でも料理自体はすごく楽しんで作れた、と思う。
食べた料理も美味しくてびっくりした。三浦がビタミン剤を入れてなくて安心した。遥くんは何度も何度も信じられないと言っていた。そういえば遥くんは小さい頃に両親を亡くしたって言ってた。きっと小さい頃から身の回りの事を自分でやってきたんだろう。
「そういえば遥くんは地元の人なの?」
「いきなりどうしたの?」
「ちょっと気になっちゃって。」
「俺は割と近所かな。実家はちっちゃい本屋さんだよ。」
「えっ!もしかして春日書堂っていう本屋さん?」
つい最近訪れた本屋さんの名前を口に出す。
「あ、もしかしてもう行っちゃった?」
「うん、浩ちゃんと一緒に行ったの。凄いいっぱい本があってびっくりしたんだ。」
「へぇ、今度俺も行ってみようかな。」
三浦が身を乗り出す。確か、三浦もかなりの蔵書家だったはず。きっと喜ぶだろう。
「その時は私もつれていってあげる。同じ蔵書家として。 」
「ありがとう、白雲。」
初めて、三浦に感謝されて少なからず驚いた。