第5章 遥と由衣
私にも遥くんと由衣ちゃんみたいな幼馴染みがいてほしかった。三浦よりも遥かに性格はいいし、サボったりしないだろうし・・・。比較したらキリがないくらい。でも幼馴染みが三浦で良かったと思う。いざって時にはちゃんと動けるし、まぁ、それなりに優しい。ある意味よかったのかも。
「白雲、今失礼なこと考えてたでしょ?」
「え、そんなことないと思うけど。」
「そう。」
三浦ってもしかして読心術か何か使えるのかな。少し、腹立つ。
「なんでそう思ったの?」
「んー、なんとなく?ほら、俺らって小さい頃から一緒じゃん?なんとなくそうなのかなーって。」
「・・・。」
そういえば、そうだよね。小さい頃から一緒にいるんだ。私が三浦を少しだけ、信頼できるのはそこから来てるんだろう。深くは考えないけど。
「あ、そうだ。私、転校生さんに伝言があって。明日の放課後、職員室まで来いって、部活が終わってから。中村先生が、伝言を頼むって。」
「浩ちゃんが?なんの用事だろう。」
私をわざわざ呼び出すなんて何か特別な用事なのかな。転校して、再会して、クラスの担任で、しかも部活の顧問で、いくらなんでも偶然すぎる気がする。何か特別な裏があるような、そんな気がする。気のせいかもしれないけど。