第4章 鶏のモデルはいつまで擦り倒されるのか問題。
最後に、今日これから堂島さんが着る予定の服をコインランドリーで洗濯して乾燥機を掛けて、あたし達は帰路に着いた。
堂島さんがシャワーを浴びると言うので、あたしはその間に今日の分の出荷をしにいく事にした。堂島さんは台車への積み込みの手伝いを申し出てくれたけど、スーツが汚れそうだから丁重に断った。堂島さんは眉尻を下げて、明日からは必ず手伝うと約束してくれた。律儀な人だ。さすがジジイ殺しの堂島大吾。あたしはジジイではないけれど。
それからあたしは台車をひいて、昨日袋詰めしたラディッシュと蕪を産直に卸し、帰宅した。
堂島さんはシャツにスラックスというラフスタイルで、リビングで寛いでいた。
あたしは堂島さんを客間に案内してから、夕食の準備に取り掛かる――……と、堂島さんが客間のある二階から降りてきた。
「手伝う。
……――もうスーツじゃないんだ。いいだろ?」
「でも…………」
「居候の分際で上げ膳据え膳じゃ落ち着かねえよ」
苦笑して、堂島さんがシャツの袖を捲る。
逞しい前腕が覗いて、あたしは思わず目を逸らした。あたしは筋肉に弱いのだ。好みの男の筋肉なら尚の事。
「えっと…………
それじゃあ、これ、エプロンです。
で、芋、ふかしたんで潰して貰えますか? 結構ごろごろかたち残す感じで」
「ああ、…………多いな」
「三分の一は今日ポテトサラダにして、残りは明日コロッケにします。具を入れる前に分ければベースは一緒の芋なので」
「…………なるほど」
感心したように頷く堂島さんが面白い。というか、堂島大吾がふかした芋を潰している構図が既に面白い。