第3章 春の痛み
桜の蕾が膨らんできた頃、不安だったものが柔らかく溶けた。
DNA鑑定の結果は……26%。
私と恵は異母姉弟として、証明された。
「千景〜、入るよー?」
「なっ……ダメですっ!!」
あてがわれた寮の部屋で着替えをしていた。
シャツを着ようと頭を通した時、虚しく扉は開かれる。
悟はいい加減、ノックを覚えて欲しい。
「あーごめんね。ま、そんな気にしなくていいよ。子供に興味ないし」
「そういう問題じゃありません!!」
急いでシャツを着て、悟へ向き直る。
だけど、悟の後ろにいる人物を見て、固まってしまった。
ずっと胸の中で閊えていたものが、スッと消えていく。
「乙骨くんっ!」
耳を染めて顔を逸らしたままの、あの日震えていた同級生がいる。
――やっと、会えた。