第6章 気持ち
私の手を握る憂太の手に、力が篭っている。
少し痛くて軽く引くと、すぐに力は弱まった。
「ごめん。……遅くなったのは許す。でも……手を繋いでいるなんて、聞いてない」
「ごめん……でも、弟だよ?」
「わかってる。それでも嫌だ。……弟だってわかったのは最近でしょ?」
憂太は目を伏せ、握っている手を持ち上げる。
指先に口付けて、優しく引いた。
距離が縮まり、咄嗟に肩に手をつく。
耳に憂太の息がかかった。
「……"僕の"だよ」
肩についた手を取って引かれ、軽く唇が触れた。
――こうやって、ドキドキするのは憂太だけだよ。
肌まで、心臓になったようだった。
安心するように憂太に擦り寄ると、憂太を纏う呪いの気配が強くなった。
これは――リカちゃんの……。
「憂太を、いじめるなぁあっ!」
「わわっ、リカちゃん?!虐められてないよ!待って、ダメだよ!」
向かってくる大きな手に目を瞑って、腕で顔を隠した。