第2章 似ている
少しして部屋から出てきためぐみくんと、外に出た。
「五条先生……誰ですか、その人」
少し後ろをついてくるめぐみくんが、悟に声をかけた。
「千景、自己紹介したげて。恵も」
コクッと頷き、めぐみくんを見つめる。
本当に、どこを見ても……似ている。
「一色千景です。気づいたら、ここにいました」
なんて説明をしたらいいかわからなかった。
同級生が目の前で大変なことになって気を失い、目が覚めたら悟に抱えられていた。
悟に助けを求めるように視線を向けたが、素知らぬ顔で歩き続ける。
その長い足は、私に歩幅を合わせていた。
「俺は、伏黒恵です」
「え?伏黒……?……悟……?」
伏黒って……私の"兄弟"とかって、言わないよね……?
説明を求めるように悟を見つめても、こちらを向いてくれることはなかった。
「千景が16歳で、恵が13歳ね」
弟……かもしれない。
もし本当に恵くんと姉弟なら、伏黒甚爾はとんだクズだ。
そもそも、母を捨てた時点で……母と伏黒甚爾の馴れ初めって、なんだったんだろう。
もう誰も、知る人はいない。
もし、伏黒甚爾に会えたら、聞けるだろうか。