第6章 気持ち
「でもね、無理だった」
私の腕の中で憂太が動き、身体もこちらへ向ける。
まだ顔は近いままで、肩に乗った私の腕に触れた。
優しく撫でるように指先が滑る。
「千景が可愛すぎて、誰にも渡したくない。そんなことをしてる間に、誰かに取られたら嫌だ」
腕を伝った指が頬に触れる。
途端に憂太の顔が柔らかく崩れた。
「千景――好きです。僕の彼女になってください」
少し視界が霞んで、憂太の顔が見づらくなった。
「私も憂太が好き。……彼女にしてください」
グッと親指で目を擦られて、視界がクリアになる。
嬉しそうに笑った憂太の顔が近過ぎて、見えなくなった。
唇が温かくて、柔らかい。
ゆっくり離れていく憂太の顔は、ほんのりと桜色に染まっていた。
「かわい、好き。僕もう、抑えたりしないからね」
頬を撫でながら顔中にキスをされて、「擽ったい」と肩を押す。
すると、頬を撫で回し、額に口付けて見つめ合った。
「ちょっとは、抑えて欲しいかも……」
心臓が速く動きすぎて、止まってしまうかも……。
「やだ」
悪戯っ子のように笑った憂太の唇が触れる。
耳元で「好きだよ」と囁き、リップ音を立てながら唇は、首筋に下りていった。