第6章 気持ち
昼休みに窓のサンに肘を掛かけて外を眺めていると、僅かに背中が温かくなる。
私の肘の横に手がついた。
「なに見てるの?」
「憂太……空見てる」
憂太に囲われて、挙句の果てには、顎置きにされた。
夏の空気が暑いはずなのに、憂太との距離がゼロでも、心地いいとさえ思う。
サンに置いていた手が肩に回る。
抱き締められて、頭の上にあった憂太の口が、耳元にきた。
――さっきよりもドキドキしてる……。
「千景。……今日、一緒に寝る?」
心臓止まったかも。
私の返事は、夏の暑さに溶けた。
少しだけ、抱き締める腕に力が入ったような気がした。
「憂太っ……近くて、死んじゃう……」
「ふふ、そうなの?ここ、可愛いね」
二の腕を掴んでいた手が胸に移る。
心臓があるところに手の平を翳し、黙ってしまった。
自身の鼓動が耳に響いてうるさい。
「可愛いって……意味わかんない」
「ずっとドキドキしてて、可愛いってこと。えっちしても、ちょっとしたことで、ドキドキしてくれるかな……」
憂太が耳元で際どいことを言うから、心臓が跳ねた。
乙骨憂太は危険な香りがする――。