第6章 気持ち
もう片方の憂太の手を探して彷徨う手は、すぐに捕まえられて、握られる。
「千景、眠いの?」
「んーん、気持ちいい……」
もっと……深くまで触れて欲しい。
そんな欲に蓋をするように、憂太の手に頬を乗せて見上げる。
クスクスと笑った憂太は、そのまま自身の席に座った。
先程から微かに聞こえていた、コッコッという音が大きくなっていく。
――これ、イチャイチャだ。
名残惜しく頬を離れさせる。
握っていた手も離し、憂太をジッと見つめた。
「……イチャイチャするなって」
「僕たち付き合ってないから、イチャイチャじゃないよ」
「どういう理屈だ?あぁん?」
憂太を睨む真希の目が、怖かった。
まだ少し心配になる。
怒ってるのは、教室でイチャイチャしてるから?
それとも……"憂太が私と"イチャイチャしてるから?
聞くことは出来ないけど、謝って、悟が来るのを待った。