第6章 気持ち
「ねぇ憂太」
「ん?」
「かわい」
クスッと笑いながら、憂太の髪を撫でる。
憂太は寝癖をつけたままだった。
撫でる度に、ぴょこっ、ぴょこっと跳ねて戻る。
「ふふ。直らない」
憂太は頬を染めながら、「直してくる」と教室を出ていった。
隣から、コッコッという音が聞こえていて、見てみると……真希が机を指で叩いていた。
――イライラしている。
「お前ら……人前でイチャイチャしてんじゃねぇよ」
「えっ、してないしてない!ただ、寝癖あること、教えてただけだよ?」
棘もパンダも、「イチャイチャしてる」と言う。
――あれ、イチャイチャだったのか……。
肩を竦めて縮こまる。
憂太との距離、気を付けなければ……。
あれから……えっちなことをしてから、憂太の顔を見られないと思っていたけど、そんなの、憂太が簡単に覆してしまった。
よく触れてくるようになって、私も返してしまう。
触れると言っても、髪を撫でたり、手を握ったり……そういうことだけど。
帰ってきた憂太を目で追っているとパチッと視線が交わり、微笑まれる。
「ありがとう。気づいてなかったや」
憂太の大きな手が髪を撫で、頬を包み込む。
その手に擦り寄って、目を瞑った。