第5章 君だけ
授業を終え、憂太たちが戻ってくるのを待っていた。
ベッドに横になり、片側1人分の隙間を開ける。
この前、憂太が寝た場所。
スーッとその場所を撫で、目を瞑る。
怪我、しないでね。
……と思っていたら、帰ってきた憂太の顔には、ガーゼが貼られていた。
額にあるガーゼの周りを、軽く撫でる。
憂太は帰ってきてすぐ、私の部屋に来てくれた。
「憂太っ、あのね……えっと……」
「どうしたの?何か言いにくいこと?言いたくなかったら、言わなくても大丈夫だよ」
憂太の額を撫でたままの形で、見上げる。
左手を胸に添えて、右手を肩に移動させた。
こんな距離なのに、触れているのに……言葉ではなかなか言えなかった。
拒否された時が怖いから。
両手を背中に回して、ぎゅっと抱きついた。
肩に頭を預けて甘える。
こんなことは出来るのに、どうして……。
「……憂太……」
「ん?千景、どうしたの。あんまりくっつかれると、勘違いしちゃうよ……」
勘違いじゃない。勘違いじゃないんだよ。
「……勘違い、していいよ。憂太……」
「っ……僕、困っちゃうなぁ〜。あはは……」
困ってしまうのかと悲しくなり、謝りながらそっと離れる。
なのに憂太は私の手を引いてベッドに座り、私を膝の間に引き寄せた。