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呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第4章 目覚める欲


目の前の憂太は、顔を溶かして笑った。
無自覚の女たらしか、って……。

「憂太ぁ……」

優しい目で私を見てきて、「なに?」と蕩けた声を漏らした。
眠いのかな?
今の私には刺激が強すぎる……。

「呼んだだけ……」

「そうなんだ。……千景」

名前を呼ばれて返事をしたが、私と同じことを返されてしまった。
息も出来ないくらい、心臓が速く動く。

これで"好きじゃない"とか言われたら、発狂するよ……。
でも、ちゃんとわかっている。
憂太が"好き"とも、"好きじゃない"とも言わないことを。

ジッと見ていると、クスクスと笑いながら、背中に腕を回してきた。
驚きと焦りで、息を呑む。

「勘違いしちゃうから、あんまり見ないでもらえると嬉しいな……触れてもいいのかと思っちゃう……」

「……憂太にも、そういう感情あるんだ」

背中に回った腕は、そこに置いただけで、抱き締めることも、撫でることもしない。

「僕も、一応男ですよ」

知ってる。
痛いほど知ってる。

私は憂太の、そういうところを見てる。
でも、憂太も私を、そういう風に見てるの?

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