第14章 君に触れて
朝、陽が昇っているのには気づいていた。
それでもベッドで目を瞑り続ける。
千景が僕を揺すっても、布団の中に引き摺り込んで起きなかった。
「憂太、起きないと……」
「うん。千景、もっかいセックスしない?」
頭で考えることはせずに、思ったことをそのまま言葉にしてしまった。
ぎゅっと目を瞑って、深く息を吐き出す。
起き上がって千景の額に口付けて、髪を撫でた。
既に着替えもセットも終わらせている千景に寂しくなる。
「今準備するね」
名残惜しく髪を撫でながら離れる。
洗面所で顔を洗い、歯を磨いた。
無造作に流れた髪を整え、部屋に戻る。
スラックスを履いて紐を締め、白い学ランに袖を通した。
淡々としているように見えるが、実はいつもよりも時間をかけている。
ソファに座って待つ千景を後ろから抱き締め、髪に唇を落とす。
頬を撫でた千景の手を取り、キラリと光る薬指にも口付けた。
「まだつけてくれてるんだね。ネックレスにしてていいんだよ?」
「任務とか訓練の時以外はつけてたいなって……」
千景のその言葉が嬉しくて、愛しくて……何度も髪に口付けた。
――離したくない。
その後、ホテルをチェックアウトし、タクシーで空港へ向かう。
空港に近づいていく景色を見るのが嫌で、ずっと千景を見ていた。