• テキストサイズ

呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第3章 春の痛み


その日の授業が終わり、寮へと戻る。
部屋に入って、力なくベッドに横になった。

もう何もわからない。

「一色さんどうしたの?大丈夫?」

私の視界にゆっくりと入ってきた乙骨くん。
どうやら声はかけたようだが、返事もないし、鍵も掛けていなかったから、入ってきたようだ。

「ん。乙骨くん……乙骨くんは、何か……」

それ以上は言えなかった。
"乙骨くんは何か……目的を見つけた?"
聞いたら負担になるかもしれないし、もし見つけていたのなら、私がおかしくなる。

何もない私は、彼の傍にいられなくなる。

「乙骨くん、私……ずっと、乙骨くんの傍にいたいよ……」

目頭が熱くなって、勝手に涙が零れてきた。
枕がどんどん濡れていく。
乙骨くんの姿が霞んでしまう。

私はここにいたい。
乙骨くんの傍にいたい。

ここを――私の居場所にしたい。

「……一色さん。それ、僕はどう受け取ったらいいの?」

眉を下げて困った表情を見せた乙骨くん。
でもその手は、私の髪を優しく撫でていた。

/ 80ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp