第13章 血が生む傷
翌日、補助監督が運転する車で駅まで送ってもらい、新幹線で京都へ。
聞いた限りでは禪院家に行くのは気が引ける。
でも伏黒甚爾のことが少しでもわかるかもしれない。
昨日あの後、悟に呼ばれて2人きりになった時、とんでもないことを言われた。
「伏黒甚爾は僕が殺した。恵には言ってないから、内緒ね〜!」
私は特に伏黒甚爾への感情があるわけじゃないから、"憎い"などの感情はない。
でも恵は、伏黒甚爾の存在を昔から知っていた。
悟にも、"怖い"という感情があるのかもしれない。
恵に言ったら、"憎まれる"という想像。
悟って、いい加減でクズだけど、本当は繊細で、臆病なところもある。
1年以上も一緒にいれば、自ずとわかる。
新幹線が京都駅に到着し、そのまま禪院家に向かった。
緊張はしている。
もしかしたら、私が伏黒甚爾の娘だということも、知られているかもしれない。
「憂太と話したいな……」
そしたら、緊張も恐怖も何もかも忘れて幸せになれる。
まだ憂太への不安はあるにしても、声を聞くだけで落ち着くかもしれないと思った。
電話をしたくなる欲をグッと抑えて、アプリを開いたスマホの電源を落とした。
忙しいかもしれない。
あっちは夜中だろうし、負担にはなりたくない。