第10章 百鬼夜行
硝子さんに診てもらい、特に性行為の痕跡はないということだった。
それがわかった瞬間、憂太はきつく抱き締めてきて、「よかった」と何度も耳元で呟いていた。
憂太も確認したいと言っていたけど、どうするのかな?
硝子さんに診てもらったから、確実だと思うけど……。
白銀に染まった世界を、黒い学ランを着た憂太の隣で手を繋ぎながら歩く。
解呪をしたことで等級が下がった憂太は、"問題児"として扱われることはなくなった。
憂太と悟が話していて、私はただ黙っていた。
悟の親友が拾ったという憂太の学生証。
悟のたったひとりの親友――夏油傑。
どうして悟は今、こんなに穏やかなのだろう。
親友を殺した直後なのに……。
きっと、2人にしかわからない"何か"があるのだろう。
「おら憂太、千景!いつまで待たせんだ?行くぞ」
「「うん!」」
真希に声を掛けられ、憂太と一緒に3人に駆け寄った。
いつまでも、この5人で助け合って生きていきたい。