第10章 百鬼夜行
全ての授業を終え、寮に戻った。
ご飯やお風呂を済ませ、ベッドの上に寝転がる。
スマホが着信を知らせ、画面には"乙骨憂太"と表示されていた。
すぐに出て喋ると、少しだけ声が高くなる。
「いきなりごめんね。部屋、行ってもいい?……って、もう部屋の前にいるんだけど……」
慌てて起き上がり、部屋の扉を開ける。
まだ少し髪が濡れている憂太がいる。
手を引いて招き入れ、スマホをナイトテーブルに置いた。
今度は私が手を引かれ、後ろから包み込まれる。
憂太の膝の上に座りながら、腰を捻った。
すぐ近くにある目と視線が交わり、ゆっくり閉じる。
「憂太……」
短いようで長いような、触れるだけのキスをした。
前に身体の向きを戻し、ぽすっと背中を憂太に預ける。
じんわりと背中が温かくなり、全身に伝わっていく。
――憂太の温度、気持ちいいな……。
「千景、ドキドキしてる?」
必死に隠していた心音は、お腹に回した手に伝わっていたらしい。
背中からも響き、憂太の心臓に届く。
「……えっちなことしていい?嫌な時はちゃんと言ってね。僕、気づけないから……」
ほんの少しだけ、腰を押し返す感触があった。
頷きながら、「したい」と零した。
その瞬間、項に指が這い、唇のような温かいものが触れる。
微かに漏らした吐息は、次第に存在感を増していった。