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約束の行方【御幸一也】長編

第7章 約束の結末


伸びない打線に刺さらない牽制。
言い出したらキリがない。

そんな違和感の中試合は続いていく。

御幸side

試合が進むにつれて、アドレナリンのおかげか痛みを感じる事は少なくなってきた。

それでも力んでしまえば一気に現実に引き戻される。

轟の球を捉えることは出来ても、
詰まらされる。

五回
自分たちのら攻撃が終わり、守備に向かう。

「おい、御幸」

ベンチ前でゾノに声をかけられる

「お前、怪我してるんか」

その言葉にベンチの中にも緊張が走った。

「ん?なにが?」
「なにがって、お前が一番わかっとるだろ!」
「おいゾノ、今はいいだろ」
「けどよ!」
「わかってて出てるんだろうが、コイツはよ」

ゾノの荒らげた声に、倉持が制す。
俺は二人の会話を黙って見てることしかできなかった。

……ここまでか

そう思って監督を見る。

「大丈夫なのか、御幸」

静かに問われる。

俺は一息飲んで答えた。

「……怪我してるのは事実です」

もう、引き返せない。

「もし、監督がチームにマイナスだと思うのなら」

……絶対、降りない。

「俺は監督の指示に従います」
俺は真っ直ぐ監督を見て言った。

ベンチの空気が張り詰めている中、
監督は静かに俺を見ていた。

まるで、
どこまで覚悟があるのか測るみたいに。

「……そうか」

と短い返事の後監督は、
ゆっくり口を開く。

「なら、この件は俺が預かる」

「今、お前にできる最高のプレーをしろ」

その言葉に、息が止まりそうになる。

「ただし――」

監督の目が鋭くなる。

「チームに綻びが見えた瞬間、俺は迷わず代える」

真っ直ぐな言葉。
そこには誤魔化しも情もない。

だからこそ

「……はい」

自然と背筋が伸びた。

夢主side

五回裏
ベンチ前から中々動かない青道ナイン。
スタンドもざわめき出した頃、やっと守備につく。

少し硬い表情のゾノくんに
覚悟を決めたような顔で出てきた御幸。

……バレたんだ、御幸

どこか吹っ切れたような顔の御幸に
少し安心した。

隠してプレーするのにも限界はある。

「鳴ごめん、ちょっと行ってくる」
「応援なんてしないからね」
「うん」

私は鳴に少し声をかけてからスタンドを後にした。


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