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約束の行方【御幸一也】長編

第7章 約束の結末


夢主side

二回表、先制点を入れたのは青道。
その裏もバッター三人で抑え、流れは青道になった。

そう思っていた――。

三回、一番からの好打順。
倉持、東条、小湊と三者連続ヒットを放ち、
倉持は生還。
無死二三塁からの打席には御幸が入る。

しかし、

「薬師高校、シートの変更を行います」

そのアナウンスと共にピッチャーが変わる。

スタンドも一斉にどよめきが走る。

「ここでか」
「御幸にとっては痛い相手かもね」

視線はグラウンドのままに、
私は渡辺くんとそう話す。

「ピッチャー、三島くんに代わりまして轟くん」

球場の空気が一気に変わる。

得点圏にランナー溜まってる状態。
普通なら絶対に点を広げたい場面。

けれど――
初球。

轟音と共にミットに収まったのは
顔面スレスレのインコース高めのボール。

なんとか避けるも後ろにひっくり返った御幸だったが、
バッターボックスに座り込んで一息ついてから立ち上がった。

その姿を見て呼吸を思い出す。

打席に入り直した御幸は
まだ真っ直ぐな目をしていた。

しかし
やっと御幸のバットに当たったボールは外野フライ。

周りの反応を見る限り、
御幸の怪我に気付いている様子はなかった。

そう思っていたら――


「らしくないじゃん、一也」

その声に私は振り向いた。


鳴side

本当は来たくなんてなかった。

ユキがいる事なんてわかってたし、
何よりまだ二人の並んだ姿を見るのは苦しかったから。

そう、思っていたのに……

打席に立つ御幸を見守るユキの顔がいつも以上に険しかった。

……なんでそんな顔させてんだよ、一也

打ち上げたボールに違和感しか覚えない。

気が付いたらユキに声をかけていた。

夢主side

「まさか、鳴が見に来るなんてびっくりしたー。御幸の応援?」
「ちげぇよ!誰が応援なんてするか!」

「そかそか」と私は空気を和ませる。

しかし

「そんな事より、一也、調子悪いのかよ」

その言葉に全身が固まる。

鳴はやっぱり気が付いていた。
伊達にずっと戦ってきてる訳じゃない。

けれど、私は無言を貫いた。

「……やっぱりか」

鳴はそういうと、私の横に座って一人で納得していた。


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