第7章 約束の結末
夢主side
序盤から試合が動く。
2回表、轟くんの先制ホームラン。
しかし、市大もすぐに逆転。
3回には薬師の真田くんもマウンドへ上がり、
両チームのエース対決になる。
緊迫した空気が変わったのは、8回表だった。
2アウト、1.2塁。バッターは真田。
ホームランを打った轟くんを三振に抑えて、
勝負を焦った市大の天久が放ったストレートが右中間に弾き返される。
これが、決勝点の逆転タイムリーとなった。
御幸side
試合を見終わった後、
学校へ戻った俺らは明日に向けてのミーティングを行った。
降谷の病院の結果、明日の登板はドクターストップ。
監督からそう告げられると
部屋の空気が一気に重たくなった。
無理もねえ。
ここまで支えてきたエースが使えない。
その上、相手は勢い着いている薬師。
不安がないわけじゃなかった。
「先発は沢村でいく」
その言葉に、
一瞬ピクリと反応する沢村。
しかし――
「はい!!!」
返ってきた声はまっすぐだった。
「俺が、絶対抑えます!!」
その言葉に周りの空気も少しずつ前を向き始める。
……頼もしくなったな。
そう思った瞬間――
ズキン
「……っ」
声にならない声が少し漏れる。
俺は周りには気付かれないように、
机の下で左脇腹を軽く押さえた。
……まだ、倒れるわけにはいかねえ。
浅く呼吸をして整える。
「今日は早めに切りあげる、各自しっかり休むように」
ミーティング終了の声とともに
部員たちは立ち上がり、部屋を出る。
そんな中――
「……おい」
低い声が呼び止めた。
振り向くと、倉持が鋭い目でこっちを見ていた。
「お前、なんか隠してるだろ」
……勘のいいやつ
「なにが?」
目を逸らす事なく真っ向から流す。