第7章 約束の結末
倉持side
最初に違和感を感じたのは、前原と抜けた時。
何かを言いかけてた前原を強引に連れて行った。
――まるでバラされたくない事を必死に隠すかのように
そして、さっきのミーティング中。
時折、重心が傾く御幸。
――どこか痛む部位を庇うような動き。
もしかして、あのクロスプレイでどこか痛めたんじゃ……
ふと、亮さんの言葉が蘇る。
……「これくらいの怪我、皆隠してる」
何もないかのように振る舞う御幸の姿は、
より一層怪しさを増す。
「そうかよ」
俺は短く返す。
やっぱり直接言ってもはぐらかされる。
こいつを止めれるのは……
俺は前原を探した。
夢主side
御幸の怪我の事を誰にも言えないまま、
解散となる。
本当は……1人でもいい。
プレー中に御幸の近くで御幸を止めてくれる人が居てくれたら……
そんな事を考えながら、スタッフルームで一人。
今日の試合結果のデータをファイルにまとめる。
ガチャ――
「あれ、まだ居たんだ」
「あ、白州くん、お疲れ様」
入ってきたのは同じ学年の白州くんだった
「もう暗いし、前原もそろそろ帰った方がいいんじゃないか?」
「んー、もう少しまとめたいかも」
白州くんは静かに机の上に広かった資料に目をやった。
「毎試合、すごく助かってる。このデータ達に」
「そっか。良かった」
少し胸が温かくなる。
御幸以外から、直接こういう事を言われることは少ない。
明日の決勝戦も
来年に向けての学びは多いはず。
「明日も頑張ってね」
「おう」
白州くんはそう短く返すと、扉に手をかける。
しかし――
扉を開けたのは、倉持くんだった。
「うぉ、びっくりした……って白州か」
「倉持、お疲れ」
短く言葉を交わして部屋を出ようとする白州くん
「ちょっと待て白州、ちょどいい」
倉持くんは引き止め、扉を閉める。
少しの沈黙の後、倉持くんは口を開いた。
「……御幸の事だ」
私は息を飲み、倉持くんの視線から目を逸らす。
その仕草により倉持くんの視線は鋭くなる。
「お前……何か知ってんだろ」
「……っ」
私は言葉が出なかった。