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約束の行方【御幸一也】長編

第7章 約束の結末


御幸side

稲実が負けた試合をスタッフルームで確認した。

鳴の調子が悪いのは一目瞭然だった。
最後のイニングに至っては自分勝手すぎる投球。

「負けて当然」

そういう他なかった。

「ナベ、そういやユキはどうした?」
「あー、なんか試合終わったあと血相変えてどっか行って……一応前原がまとめたノートは監督にも見てもらって持ってきてあるよ」

……嫌な予感がする

「朝からくしゃみしてたし、もしかしたら体調崩したのかも」

ナベがそう言うと他の奴らは
「それは心配だな」
「学校寄らずに帰ったかな」
と口々にしていた。

ふと携帯に目が行くと、
メールが1件届いていた。

「なんで鳴から……」

俺の心はより一層ザワついた。

メールの中身は
『ユキに謝っておいて』

その1文のみだった。

……なにしやがった、あいつ

鳴の試合の様子に試合後のユキの様子、
向かったのは鳴ん所で間違いなさそうだけど……

嫌な想像が思い浮かぶ。

「……ッチ」
舌打ちが零れる。

連絡先を開こうとした手を止めて、携帯をしまう。

今、無理に聞いても余計に傷つけるかもしれねぇ……

あいつから言うのを待とう。

そう思っていた――


夢主side

御幸に合わす顔がない……

それだけの理由で仮病で学校を休んでいる。

「……はぁ」

布団に潜り、ため息をこぼす。

秋大の真っ最中なのに――
「何やってんだろ……私……」

もう痛くないはずの自分の手のひらを見る。

目を閉じて思い浮かぶのは
あの日の事ばかりだった。

鳴の驚いた顔に、謝ろうとしてた声。

それを遮って逃げた自分。


「……ちゃんと話聞いてあげればよかった」

鳴がいっぱいいっぱいだったのは、
試合を見てて分かっていた。

だから、その後の事も……
責めるつもりなんてない。

けど……

私が引っかかっているのは
そこじゃない。

「御幸に……なんて言おう……」

そもそも、どこまで言うべきなのか。

顔を合わせてしまったら、全て話してしまいそうで……

けど――
このままで言い訳じゃない事もわかってる。

「どうしたいいんだろ……」

答えが出ないまま、時間だけが過ぎていった。

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