第7章 約束の結末
外からしか気が付けないこと――
中から見てるだけじゃ分からないこと……
もし、“外”から見れたら……
「外……あ、そっか!」
私は急いで沢村くんの所へ向かった。
「沢村くん!」
「は、はい!」
私は室内練習場にいる沢村くんを呼んだ。
しかし、そこには先客もいた。
「あ、クリス先輩!お久しぶりです!」
「久しぶり、どうかしたのか?そんなに慌てて」
「えっと……その……」
言葉に詰まる。
私の勘が正しいとも限らない……
でも――
「沢村くんの球、受けてる時にインコースに違和感があったんです」
「チャッチ目線だと分かんなかったんですが、外から見ると、やっぱり少しズレがあるように感じて……」
上手く言葉に出来ない。
この違和感、絶対伝えなきゃいけないのに……
その空気をクリス先輩は拾った。
「……なるほどな」
クリス先輩は小さく頷くと沢村くんの方へ向く。
「沢村」
「は、はい」
「お前、インコース怖いだろ」
「……」
沢村くんの肩が一瞬強ばった。
「図星か」
少し重たい空気が流れた。
それでも沢村くんは何も言わない。
それが答えだった。
――あの試合。
バッターに向かっていったボール。
当たった瞬間のあの音。
沢村くんはまだあの時のマウンドから降りることが出来てない。
……でも、方法はある。
私が口を開く前にクリス先輩が沢村くんの肩を軽く叩いた。
「無理に内に投げなくていい」
沢村くんの顔が少しずつ前を向き始めた。
「今は――外で勝て」
「外でバッターを抑えられるようになれ」
「……外、?」
イマイチピンと来てない様子の沢村くん。
自然と視線はクリス先輩に向かった。
「……アウトロー、ですか?」
クリス先輩は静かに頷いた。
「……そうだ」
クリス先輩がアウトローの説明を沢村にする。
沢村くんの表情が少しずつ変わる。
――何か掴みかけてる。
その表情に、さっきまでの不安と違和感はなくなった。
……これなら、いけそうな気がする。
この感覚は、きっと間違ってない。
私は一歩下がり、そのやりとりを見つめた。
……御幸にも、ちゃんと見せないと。
私は室内練習場を静かに後にした。
扉を閉めた先――
「……見てたか」