第7章 約束の結末
ユキに視線をやると、明らかにいつもと様子がおかしかった。
「ほら、帰んぞ」
そう言ってユキの手を取り、来た道に振り返る。
その瞬間、行かせないと言わんとばかりに、
鳴が空いてる方のユキの手を取った。
「逃げんなよ。まだ話の途中だろ」
「何を話すことあんだよ」
「一也には関係なくない?」
そっか、まだこいつにちゃんと言ってなかったな……
「残念、これが大アリなんだわ」
そう言って俺は握っていたユキの手を自分の方へ引き寄せて胸の中に閉じ込めた。
鳴の手がユキから外れると、自然と腕に力が入る。
「こいつとの約束は誰にも譲る気ねぇよ」
「もちろん――こいつ自身もな」
真っ直ぐ鳴を見据える。
お互い無言で視線を逸らさない。
が、鳴の表情だけは少しずつ険しくなり、口が動いた。
「いつまでその強がりが持つか楽しみだね」
その視線が俺から離れると、ユキへ向かった。
「ユキ」
名前を呼ぶ声がやけに柔らかい。
「気が変わったらいつでも稲実においで――
待ってるから」
そう言うと鳴は俺らに背を向け、
振り返ることなく去っていった。
俺は鳴が残した言葉で無意識のうちに、
再びユキを抱きしてる腕の力を強めた。
……絶対、渡さない。