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約束の行方【御幸一也】長編

第7章 約束の結末


夢主side

2人の会話を黙って見ていることしか出来なかった。

気がついたら御幸の腕の中にいた。

「こいつとの約束は誰にも譲る気ねぇよ
もちろん、こいつ自身も」

さっきの言葉が頭の中でこだまする。


ふと視線をあげると、険しい顔を崩してない御幸の横顔があった。

私を抱きしめている御幸の腕は少し震えていた。

無理もない。

ついさっき負けたばっかりの相手に、
あんなこと言って……

強がってるに決まってる。
なのに、どこか居心地の良い腕に抗う気は出ない。

鳴が視線から居なくなると、
御幸はまるでなにもなかったかのように、腕を緩め再び私の手を取った

「……戻るぞ」

そう短く吐いた御幸は私の手を引いてみんなの元へ向かった。

その背中は――
さっきまでは大きく見えていたのに

今はなんだか少し小さく見えた。

私達は無言のまま学校へ戻った。
3年生の先輩達はずっと静かに涙を流していた。

もらい泣きもできず、
私はただ、立ち尽くすことしか出来なかった。


御幸side

みんなが目の周り赤くしてる中で、
ユキだけはずっと前を見ていた。

グラウンドにいる時から気が付いていた。
応援スタンドで、ただ一人泣いてなかった事に。
そして――
誰よりも悔しい顔をしていた事に。


……あいつ、吐き出せてねぇな。


俺は用があると言ってスタッフルームにユキを呼んだ。


「どうしたの?御幸から呼び出すなんて」

傍から見たらいつも通りに見えるんだろうな……


「お前、ちゃんと泣いたか?」
「なにー?泣かないとダメなの??」

何か誤魔化すように笑うユキ。

「俺にもその顔すんのかよ……」

「違うだろ。その笑顔は」
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