第5章 約束を乱すもの
夢主side
鳴には申し訳ないけど、こうなったら仕方ないよな……
練習試合後のグラウンドやベンチ等の片付けをしながら、私は少し溜息をついた。
日も傾きかけた頃にやっと丹波さんの状態や今後の事もまとまったため、御幸が家まで送ると言ってくれたので言葉に甘え、私達はグラウンドを後にした。
「……なぁ、ユキ」
無言の時間に耐えられなかったのか、御幸から声かけられた
「どうしたの?」
「その……残念だったな、鳴とキャッチボールできなくて……楽しみにしてたんだろ?」
「べ、別に……仕方ない事だし――それよりも、今は夏の大会のピッチャー陣の事でしょ」
そう、仕方のない事。自分でも頭では理解してるんだ。
でも、まさか御幸からその話してくるとは思ってなくて、少し驚いた。
私はその話題から逃げるかのように別の話題を振った。
「そうだけど――」
「ユキ!!」
御幸がなにか言いかけた時に、後ろから名前を呼ばれ振り向くと、鳴がいた。
「え、鳴!?帰ったんじゃなかったの?っていうか稲実も寮生活でしょ?大丈夫…」
「そんなのどうでもいいんだよ!」
鳴はそう私の話を遮ると、
「それよりも!今日の約束、俺はやっぱり諦められねえ…だから!連絡先教えて!」
「えっ!?」
諦めかけたチャンスを目の前に動揺する自分がいた。
私がふと御幸に視線を送ると、御幸からは何故か不機嫌そうに視線を逸らされた。
え……なんで?
そう思い御幸に声をかけようと足を踏み出そうとしたが、
「ねぇ!早く!」と急かしてくる鳴に圧倒されて
スマホを取り出そうとした時、