第6章 春夏「秋」冬
校内に授業終了を告げるチャイムが響き渡る。
「――あっ。」
黒板へ向けていたチョークを止め、時計を見たが目を丸くした。
「もうこんな時間だ。ごめんね~、ちょっと進めすぎちゃった。
残りはまた次回にしよっか。」
虎杖「助かったァァ・・・。」
釘崎「はぁぁぁぁ、、、」
伏黒「何をそんなに疲れてんだよ。」
「ふふっ。じゃあ、今日やったところ忘れないように復習しておいてね~。」
教卓の上を手早く片付けながら、いつもの柔らかい笑みを浮かべる。
「虎杖君も、ちゃんとね?」
虎杖「うっ・・・。」
「わからなかったら、また教えるから。」
そう言ってひらりと手を振り、教室を後にした。
扉が閉まる。
その瞬間。
虎杖「・・・・蘆屋先生って、いいにおいするよなぁ。」
釘崎「は?」
虎杖「なんかさ、こう・・・しゃべり方とかもやわらかいし、
頭もいいし、教え方も優しいし・・・。」
ぼんやりと扉の方を見ながら、虎杖が机に突っ伏す。
虎杖「近く来ると、なんかドキッとするっていうか・・・。」
釘崎「お前、乙骨先輩に殺されるぞ?」
興味なさそうにスマホを弄りながら、釘崎は淡々と言い放つ。
虎杖「えっ、あっ、いや、別にそういう意味じゃないっつーか」
伏黒「完全にそういう意味だっただろ」
釘崎「諦めろ~」
虎杖「えぇぇ・・・!?」
伏黒は深くため息をつきながら、ノートを閉じる。
無防備な距離感。
柔らかい笑い方。
自然に相手を褒める声。
伏黒(あれは勘違いするやつが出ても仕方ねぇんだよな・・・。
自覚してんのか、無自覚なのかしらないけど。
俺は虎杖と違って最強(五条先生・乙骨先輩)に
歯向かうほど馬鹿じゃないからな・・・。)
伏黒「あの人は、みんなにあんな感じだから、気にすんな」
虎杖「うぅ、、、確かに、、、、みんなに優しい、、、」
釘崎「やっぱ、そういう目でみてんじゃねーか」
伏黒(・・・・また一人、犠牲者が出たな。)