【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/乙骨×主(五/直/伏)
第3章 任務-2
瓦礫を蹴り上げる音が、静まり返ったフロアに響く。
虎杖「……伏黒!」
蘆屋を背負ったまま、虎杖は崩れた通路を駆け抜ける。
先行していた伏黒の足音が消える。
角を曲がった、その先。
虎杖「伏黒!」
影を操る伏黒の足元で、呪霊の残滓が崩れていく。
虎杖「今のが……?」
伏黒「いや、おそらく囮だ。弱すぎる」
虎杖「だよな……。こっちもこのまんまだしよ。」
伏黒「本命は別だ」
その言葉が落ちた、直後。
???「——た、たすけて……!!」
空気が、凍りついた。
虎杖「……っ、今の声……!」
「上……!」
三人が同時に2階見上げる。
二階の吹き抜け。
崩れた手すりの向こう。
そこに――人影があった。
床に這いつくばっている、青年。
服は汚れているが、外傷はなさそうだ。
青年「たすけて……っ、だれか……!」
虎杖「…待ってろ!」
伏黒「待て、虎杖——」
その背後。
影の奥に、何かが“揺れた”。
「ハッ……」
視線が、そちらへ吸い寄せられる。
ゆらり、と。
青年のすぐ後ろ。
まるで寄り添うように、“それ”は立っていた。
人の輪郭をなぞるような歪な影。
長く垂れた腕。細い首。
そして、こちらを見下ろす眼光。
虎杖「……なんだ、あれ……」
伏黒「……特級呪霊……か?」
さっきの雑魚とは比べ物にならない圧。
虎杖「以前見た特級呪霊とはまた違うやつか……?」
虎杖の背中で、主人公は首を横に振った。
主人公「……あ、あれは、特級呪霊じゃない、土地神……!!」
伏黒「また厄介なものがいるもんだな…」
喉の奥が冷える。
あの存在から感じるのは、単なる悪意じゃない。
もっと根深い、“この場所そのもの”の気配。
“それ”がゆっくりと顔を傾けた。
――にたり。
口元だけが、不自然に歪む。