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まだここにいる【ワンピース サンジ】

第12章 11


逃げきれない。

視線を外して、 それでもまた戻る

「……覚えてるよ」

先に、落ちる声。

その一言で、

喉が、ひどく熱くなる。

「……そうか」

低く。

それ以上、誤魔化さない


「……軽い気持ちでやったつもりはねェ」


視線は、まだ合わない。


「……だから」


言葉を探すみたいに、

一瞬止まる


「なかったことには、できねェ」


静かに落ちる声。

部屋が、また静かになる。

窓の外の波音だけが、

遠くで揺れてる。

「……っ」

小さく、息を飲む音。

視線を向ける。

また、赤い。

さっきより、

少しだけ深く。

逸らそうとして、

でも逸らしきれないみたいに

揺れる目


「……あー……」


頭を軽く掻く。

困ったみたいに笑って、

小さく息を吐く。


「そういう顔、反則だろ……」


掠れた声。

甘い。

自分でも、

隠せてないって分かるくらいに。

視線を外す。

これ以上見てたら、

また触れたくなる。

理性が、

じわじわ削られていく。


「……平気か」


「体、しんどくねェ?」


ようやく出たみたいな声。

気遣うくせに、

まだ目は合わせない。

煙草の残り香だけが、

静かに部屋に残っていた。
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