第12章 11
朝。
光が、やけに白い
静かすぎて、逆に落ち着かない
薄く開いた視界の先。
窓際
煙草の火が、赤く滲む
サンジが、そこにいた。
片手で煙草を挟んだまま、
ゆっくり煙を吐く。
背中越しでも分かる。
起きてる。
「……」
体を動かした、小さな音。
その気配だけで、
サンジが振り向く。
「……起きたか」
低い声。
いつも通り、みたいに
でも——
目が、合わない。
煙草を灰皿に押し付ける。
火が消える音だけ、
妙に小さい。
「水。飲めるか」
テーブルのコップを取って、
近づいてくる。
足音が近づくたび、
昨日を思い出す。
「……ありがと」
小さな声。
つい、視線が上がる。
——赤い。
頬だけじゃない。
耳まで、熱が上がってる。
目も、少し潤んでる。
それでも、逸らさない
そのまま
視線が、少しだけ落ちる
首元。
乱れた襟の隙間に、
薄く残った跡
「……っ」
息が、わずかに詰まる。
やめろ。
思い出すな。
——でも。
目が、離れない。