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まだここにいる【ワンピース サンジ】

第15章 冬島


雪だけが静かに降り続ける。




ルフィはまだ辺りを見回していた。

「絶対誰かいるだろー!」



声だけが、白い町に落ちる。



そのとき。



少し先の細い路地で、何かが動いた。



ウソップが肩を跳ねさせる。

「ひっ……!」



小さな影。

フードを深く被った子どもだった。



その子は、こちらを見ている。

逸らさない。



チョッパーが小さく声を漏らす。

「……見てる」



ルフィが手を振る。

「おーい!」



子どもはびくっと肩を揺らす。



でも、逃げない。



サンジの目が細くなる。

「……今までと違うな」



一歩、踏み出す。



その瞬間。



子どもの口が動いた。



「……はやく」



かすれた声。



ウソップが固まる。

「しゃ、喋った……?」



子どもは辺りを見回す。

震えている。



そして、もう一度。



「逃げて」



空気が、わずかに変わる。



路地の奥で、何かが動いた。



子どもの顔が強張る。



「……来る」



次の瞬間。



弾かれたように走り出す。



雪の奥へ消える。



「お、おい!」

ルフィが追いかけかける。



「待て、麦わら屋」



低い声。



いつの間にか、少し離れた電柱の横にローが立っている。



黒いコートが、雪の中でわずかに揺れる。



ローは路地の奥を見たまま言う。




「そいつを追うな」



空気が、一段冷える。
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