第15章 冬島
店の奥で、風の音がした。
扉は閉まっている。
それでも、冷気だけが流れ込んでくる。
ルフィが首をかしげる。
「外の方があったかくねぇか?」
ウソップがすぐに返す。
「いや逆だろ普通!」
言いながら、肩をさすっている。
チョッパーがみかのコートの裾をぎゅっとつかむ。
「ここ……ちょっとこわい」
サンジが窓を見る。
ガラスの向こう。
雪だけが静かに落ちている。
音はない。
そのとき。
外の人影が、窓の前で一瞬止まる。
ルフィが気づく。
「おい、今見えたやつ……」
次の瞬間には、もういない。
足跡だけが途中で途切れている。
サンジの目が細くなる。
「……消えたな」
店の中が、少しだけ静かになる。
誰も喋っていないわけじゃない。
でも声が届いている感じがしない。
サンジが低く言う。
「これ、能力とかそういうレベルじゃねぇな」
ルフィは皿を持ったまま笑う。
「でも飯うまそうだぞ!」
その声だけが、少しだけ普通に響いた。