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まだここにいる【ワンピース サンジ】

第15章 冬島


雪を抜けていくと、景色の静けさが少しずつ質を変えていく。

さっきまでの雪遊びの騒がしさは遠のき、島の空気だけがはっきりと輪郭を持ち始めた。



建物が見え始める。

それでも、人の気配は薄い。



ルフィが先頭で駆け出した。

「なんか変だな!!」



「走るなって!!」

ウソップが追いかけるが、もう間に合わない。



チョッパーも小走りで続く。



近づくほどに、空気だけがずれていく。

人はいるのに、どこか噛み合っていない。


視線が合っても、すぐに逸れる。



サンジが小さく呟く。

「……静かすぎる」



煙を吐きながら、周囲を一度だけ見回す。



みかも足を止める。

「ほんとだね……」



軽い声だけが、場に馴染まない。



すれ違った男は、すぐ横を通っても振り返らない。

挨拶も、反応もない。



サンジの目がわずかに細くなる。

「……無視、じゃねェな」



ルフィは気にせず走り続ける。

「おもしれぇもんあんのか!?」



ウソップが叫びながら追いかける。



サンジは小さく息を吐く。

「……嫌な感じだな」



その視線の先で、みかだけが一瞬だけ立ち止まる。



理由のない違和感が、少しずつ形を持ち始めていた。
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