第14章 13
「ほら、上陸準備するわよ」
ナミの声に、一気に甲板が慌ただしくなる。
「雪だ雪だー!!」
チョッパーが走り回り、その後ろをルフィが追いかける。
「転ぶわよあんたたち」
みかも笑いながらその様子を見ていた。
その横で、サンジが小さく煙を吐く。
「……助かったな」
「え?」
「あと数秒静かだったらしてた」
さらっと言われて、みかの顔が一気に熱くなる。
「なっ……」
「だから覚悟しとけって言ったろ」
楽しそうに笑うサンジに、みかは何も言えなくなる。
そのまま逃げるみたいに視線を逸らした時
白いものが、ふわりと頬に落ちた。
「……雪」
空を見上げる。
小さな雪が、静かに降り始めていた。
「うわぁ!!降ってきたぞ!!」
「すっげーーー!!!」
ルフィとチョッパーがはしゃぐ声が響く。
その騒がしさの中で、みかはもう一度空を見上げた。
白く落ちてくる雪。
静かで、綺麗で。
なのに、なぜか少しだけ胸がざわついた。
ほんの一瞬だけ。
何かを忘れているような感覚が掠める。
「……みかこ?」
すぐ近くでサンジの声がする。
みかははっとして振り返った。
「え?」
「どうした」
「……なんでもない」
そう笑うと、サンジは少しだけ眉を寄せた。