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まだここにいる【ワンピース サンジ】

第14章 13


甲板へ出た瞬間、冷たい風が頬を掠めた。


「さっむ!!」


「うおーーー!!雪だァーー!!!」


チョッパーが目を輝かせながらぴょんぴょん跳ねる。


「見ろルフィ!!白いぞ!!全部白い!!」


「ほんとだ!!すっげーーー!!!」


二人で船縁に乗り出しそうになって、後ろからウソップが慌てて止めた。

「落ちる落ちる!!」

前方には、白く霞んだ島影。

空も海も薄く白んでいて、遠くからでも寒さが伝わってくる。


「ほんとに真っ白……」


みかが小さく呟く。

肩に掛かったサンジの上着から、まだ少し体温が残っていた。

「みかこちゃ――」

呼びかけかけて、サンジが一瞬言葉を止める。

「……みかこ、寒くねェか?」

呼び慣れない名前が、少しだけくすぐったい。

みかは誤魔化すみたいに島の方を見た。

「まだ平気」

「まだ、な」

サンジが煙を吐く。

その直後、吹いた風にみかの肩が小さく震えた。

「……ほら見ろ」

「これは風が悪いの!」

「はいはい」

少し笑いながら、サンジが隣へ寄る。

肩が軽く触れる距離。

それだけなのに、さっきからずっと心臓が落ち着かない。

「サンジ」

「ん?」

「近い」

「寒ィんだろ?」

またそれだ。

みかがむっとして見上げると、サンジが楽しそうに目を細めた。

そのまま自然な顔で、みかの冷えた指先を軽く握る。

「……っ」

「冷てェ」

そう言いながら、自分の手で包み込む。

あまりにも自然で、みかは何も言えなくなる。

「おーい!!お前らそこで何イチャついてんだー!?」

遠くからウソップの声が飛んだ。


「してねェよ!!」


即座に返しながらも、サンジは手を離さない。

みかは顔を熱くしたまま、白く霞む島を見つめた。
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