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まだここにいる【ワンピース サンジ】

第14章 13


「島見えたぞー!!」

突然響いたルフィの声に、食堂の空気が一気に動く。

「島?」

「ほんとだ!」

ウソップとチョッパーが慌てて窓へ駆け寄った。

みかもつられるように顔を上げる。

窓の向こう

遠くに、白く霞んだ島影が見えた。

「雪……?」

「冬島みてェだな」

サンジが皿を片付けながら呟く。

その瞬間、甲板へ向かう足音が一気に増えた。

「うおー!!雪だァ!!」

「転ぶなよルフィ!」

騒がしく飛び出していく声に、みかは思わず笑う。

そのまま立ち上がろうとして――ふいに肩を押さえられた。

「ん?」

振り返くと、サンジが自分の上着を片手に持っていた。

「外出るなら羽織っとけ」

「え、でも……」

「今からそんな薄着で行ったら凍えるぞ」

言いながら、半ば強引に肩へ掛けられる。

まだ少しだけ体温の残った上着。


「……ありがと」


小さく言うと、サンジが目を細めた。

「あと、今日はあんまぼーっとすんなよ」

「……してないし」

「してた」

即答だった。

みかがむっとして視線を逸らす。

その反応が面白かったのか、サンジが小さく笑った。

本当はこのまま引き寄せたい。

触れていたい。

朝からずっと、足りない。

でも今そんなことしたら、絶対うるさいのが何人もいる。

だから代わりみたいに、肩に掛けた上着を軽く直す。

指先が首元に触れて、みかの肩が小さく揺れた。

「……サンジ、近い」

「寒ィんだろ?」

全然理由になっていない。

それでもサンジは平然とした顔で煙草を咥えた。

みかは顔を熱くしたまま、逃げるみたいに食堂を出ていく。

その背中を見送りながら、サンジは小さく息を吐いた。


「……マジで足りねェ」

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