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まだここにいる【ワンピース サンジ】

第13章 12★


船の空気が、一気に“日常”へ戻っていく

でも

料理を盛りつけながら、サンジの視線だけは何度もみかに向いていた。

——“今夜”を忘れていないみたいに。


「腹減ったァ〜!!」


ルフィがテーブルへ突っ伏す。

「うるせェ、今作ってる」

「肉!!」

「はいはい、分かってるっての」

いつもの騒がしい声が厨房に満ちていく

サンジは慣れた手つきで皿を並べ、次々と料理を仕上げていった。

ゾロには雑に皿を置き、

「おいマリモ、勝手に食うな」

「食ってねェ」

「口動いてんだろ」

そんなやり取りも、いつも通り。

船の空気は完全に“日常”に戻っているのに。

「みかちゃん、それ熱いから気をつけてな」

その声だけ、やけに柔らかい。

そのたびに、みかの胸だけが落ち着かなくなる。

「お?なんか扱い違くねェか?」

ウソップがニヤつく。

「うるせェ、飯食ってろ」

サンジは即答しながら、みかの前に皿を置いた。

その瞬間

テーブルの下で、指先がふれた。

ほんの一瞬。

気づく間もないくらいの軽さで、すぐ離れていく。

なのに。

みかの心臓だけが妙に跳ねたまま戻らない。

向かいではロビンが静かにカップを傾けていた。

ふと視線が合う。

「あら」

意味を含んだような微笑み。

みかは慌てて視線を逸らした。

「サーンジー!おかわりー!!」

「早ェよ!!」

騒がしい声に混ざって、サンジの声が飛ぶ。
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